腰痛とバックサポータ



腰の痛みは、現代の疫病
  • 米国では労災の支払金額のNo.1にあげられているのが腰痛です。
    米国安全競技会(1992年)の調査によると、一人あたりの腰の障害治療費は68万円にのぼり、労災治療費の全体の実に31.8%を占めています。
    もちろん、この金額には慰謝料などは含まれていません。
  • 統計によりますと、10人中8人までが、人生のある時期に少なくとも一度は、激しい腰痛に襲われるという結果が出ています。
    米国では年間9300万日ぶんの仕事が腰の障害のために失われている計算になり、ドイツでは年間6000万日の仕事が失われています。
  • 一度腰を痛めると、2年以内に再発する確率は50%といわれ、それまでに腰を傷めた事のない人に比べると障害の危険性が4倍以上あるとされています。
    さらに手術を受けた人の50%は術後も腰の傷害を回復できていないという報告もあります。
  • 重い物を持ち上げたり動かしたりしなくてはならない仕事場で働いている人は、腰を傷めやすいということは周知の事実です。
    最近1000人を対象に行われたアンケート調査によると、建築現場で働く人の半数が腰痛を訴えておられます。
  • 重い物を持ち上げたり動かしたりしないような座ってする仕事に従事する人にも腰痛の悩みがあります。
    秘書の36%、学校の先生の28%が腰の傷害を持つという調査結果もあります。
    また、看護婦の方も腰を傷めやすいことが、明らかになっています。
    500人の看護婦の方を対象にインタビューをしたところ、52%の人が2週間以上痛みが続くような腰の障害を持っていることがわかりました。
    他の調査では、トラックなどの長距離運転手の方も、腰を傷めやすいという結果が出ています。
  • 座ったり立ったりしているときの姿勢が、腰の障害にはひじょうに重要な要素となります。
    たとえば、頭部は約7kgの重さがありますが、姿勢が悪いと首や肩や背骨に必要以上の負担がかかり、頭痛や腰痛を引き起こす原因になります。
    また、肥満は腰にたいへんな負担をかけてしまいます。
  • 精神的なものが、腰痛の原因になることもあります。
    ワシントン大学がボーイング社の職員を対象に調査したところ、仕事に不満があったり、仕事が楽しくない人のほうが腰痛になりやすいという関連性が認められました。
  • さらにリフレッシュに」有効なはずのリクリエーションが、腰痛の原因になり得ることは広く知られています。
    突然の動きや無理なヒネリをするテニス、ゴルフ、フィッシング、ランニングなどが原因になることもあります。
  • 今後、人工が老齢化するとともに、腰の障害が増えることが予想されます。
    なぜなら、50歳以上の90%の方に、背骨に顕著な老化が見られるからです。
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テクニックだけでは、腰痛を解決できません
  • トレーニングや人間工学的な設計さえすれば腰の障害の問題を解決できると言う人もありますが、これは下にネットを敷かずに綱渡りをしているようなものです。
    トレーニングによってテクニックを身につけるといっても、個人差もありますし、疲れてくると持ち上げるテクニックもじゅうぶんな効果を発揮できなくなります。
  • これは車にたとえてみると、ドライバーがじゅうぶんにドライビングテクニックを身につけて安全性の高い車に乗っていれば、シートベルトが必要ないと言うようなものです。
    プロのドライバーであるほど、シートベルトの重要性を理解しています。
    プロは、どのような理想的なドライビング・コンディションであっても、事故というものは起こり得るものであって、事故の予防が何よりも重要であることをよく知っているのです。
  • バックサポーターは、腰の障害を未然に防ぎ、身を守るためのものです。
    事故に遭ってから支払わなくてはならない費用に比べれば、あきらかに経済的でもあるのです。
  • 雇用者の方も従業員の方も、ぜひご一考していただきたいと思います。
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バックサポーターの働き
  1. バックサポーターは内腹圧を強化し、姿勢を安定させ、背骨・椎間板にかかる負担を軽減します。
    内腹圧を高めることによって腰への負担が50%まで軽減されます。また、腰の筋肉に対するストレスも減少します。
  2. バックサポーターをつけていると、心理生理学的に安心感をもて、正しい姿勢で物を持ち上げられるようになります。
  3. バックサポーターを正しく装着していれば、靱帯を強化したのと同じ効果があり、もっとも腰に負担のかかる70度の角度にも無理がなくなります。
  4. バックサポーターを装着することにより、姿勢が良くなり、呼吸が正しく行われる効果もあり、疲れが軽減されます。
  5. バックサポーターは、体温を自然にキープし、血液の循環を促進します。腰に痛みのある方には、この効果が有効に作用し、回復を助けることができます。
  6. バックサポーターと使用と適切な準備運動を組み合わせると、腰の事故の予防にとても効果があがります。
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重量挙げタイプベルトの職場での適用
  • 訓練を積んだ重量挙げの選手は、その過激な競技にもかかわらず腰の障害が少ないことが知られていました。
  • 1980年代中頃、米国医学界は、この事実に注目し、重量挙げで使用しているベルトが選手の腰を守っているならば、これを一般の職場などでも利用できないだろうか、と考えました。
    そしてその後様々な改良が加えられた製品が、米国市場に業務用ベルトとして発売されるにいたりました。
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柔軟タイプおよび重量挙げタイプのバックサポーター
  • 一般的に、重量委挙げタイプのベルトは、革でできています。これでは長時間着用するには、かなりの不快感があり、常時着用するわけにはいきません。
  • 業務用バックサポーターは、2つのタイプに分かれます。
    1)柔軟な繊維素材を使用したもの
    2)重量挙げタイプを改良したもの
    両タイプとも、それぞれ優れた点があります。
  • 今日、柔軟タイプのベルトが業務用バックサポーターの70%を占めています。
    これは調整が容易であること、軽量であること、通気性がよいことが理由としてあげられます。
    また、現場において作業員がバックサポーターを正しくきっちりと装着しているかどうかを、外から見ただけで責任者が管理できるという利点もあります。
  1. 柔軟タイプ
    柔軟タイプのバックサポーターは、伸縮性ナイロンとメッシュ、支柱、調整自在のサイドバンドから構成され、着用している人が持ち上げる物によってサポートを強化したり緩めたりできるようになっています。
    柔軟タイプは通気性が高いので、比較的暖かい場所でも長時間の着用ができます。
  2. 重量挙げタイプ
    業務用の重量挙げタイプのバックサポーターは、形状記憶した発泡材にナイロンのカバーがされています。
    腰回りのフィット感が良く、革製のものに比べ脇腹の痛みが少なくなっています。
    革のようになじませる必要もなく、ひび割れもおこりません。
    内張りには、汗を吸収するよう布を使っているものもあります。
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柔軟タイプと重量挙げタイプのどちらを選ぶべきか?
  • 現在のところ、どとらのタイプが優れているかについては、使用する目的にもよるこであり、その研究の結論は出ていないようです。
    実際に使用している方々へのアンケート調査によって、次のような傾向があるようです。
柔軟タイプは、次のような場合にふさわしい
  1. 軽いもの、重い物取り混ぜて動かすような職場にいるか、長時間の作業の場合。
    (柔軟タイプはサポートの強弱の調整が容易で、必要ないときにはサポートを緩めておくことができる)
  2. 高温の作業環境にある場合。
    (通気性が高いので、高温の環境下にあっても、湿気がたまったり蒸れたりすることが少ない)
  3. 物を持ち上げたりしない職場でも、長時間の運転や、立ったままの仕事の場合。
    (動きやすいので、ゴルフ、スキー、魚釣りなどのスポーツにも向く)
  4. 肥満した人、背の低い人。
    (柔軟タイプの場合、体型にフィットしやすく、体型変化にも対応しやすい)
重量挙げタイプは、次のような場合にふさわしい
  1. 比較的重いもの(15kg以上)を持ち上げたりする場合や作業時間が短い場合。
  2. 柔軟タイプより、当初は装着が容易。
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医学界に発表されたバックサポーターの有効性
  • 産業安全リハビリ研究所(米国ニューオーリンズ)会長のリチャード・パンチ博士の、1993年米国安全委員会における報告
オキュノミクス・バックサポーターは・・・・
  1. 筋肉弱体化の原因にならない
    (300人を対象にテストしたところ、2年間ベルトをつけて作業した人が、着用していなかった人に比べて筋力が減退するという結果は見られなかった)
  2. 呼吸器系の疾患の原因にはならない
  3. ヘルニアの原因にならない
  4. ベルト依存症にならない
  • 職業医薬協会(米国ニューヨーク)会長ハワード・サンドラ博士の、1993年業界紙12月号での報告
  1. バックサポーターが筋力弱体化の原因とはならない。むしろ、バックサポーターは正しい姿勢でものを持ち上げることを助けるもので、有効性の方が大きい。
  2. バックサポーターをつけると作業員が無茶に物を持ち上げようとする、ということはない。
  3. 高血圧の原因になrと言う子も、全く根拠がない。
    サポーターの装着にかかわらず、重い物を持ち上げるときに血圧が上昇するのは当然のことである。
  4. 2000人の作業員を対象とした2年半の追跡調査によると、サポーターを着用するようにした1年後には、腰の障害が50%減少した。
    一方、別のグループに物を持ち上げるときのテクニックなどの教育を施し、サポーターを使用しなかった場合、腰の障害率は減少しなかった。
  • ニコラス・ワルシュ医師の1990年「米国物理療法誌」10月号への報告
    (6ヶ月間、一日に8時間の着用を行い、倉庫の作業員を対象に調査)
  1. バックサポーターをつけた作業員の腹筋・背筋が弱くなることはなかった。
  2. 腰の障害による作業効率の低下が、サポーターの着用により抑えられた。
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