良く聞くための道具  補聴器

体の機能は使わないと… ますます衰えてしまい、自分自身を苦しめてしまいます。
年を重ねれば、誰でも耳(聴力)が少しずつ少しずつ聞こえづらくなります。
聞え具合が悪いままでいると… ますます聞え具合が悪くなってしまいます。
聞くこと・理解することは脳を刺激し脳の活性化も促進」します。
補聴器は『よく聞くための道具』です。
幅広い音域、より自然な音質、言葉の区別がしやすい物を選んで下さい!
家族やお友達との大切なお話しや音楽、テレビ観賞など少しの時間でもお使いになる事が、音の区別やメロディーなどの最も聴き取りに大切なポイントを補い,聴力の改善やリハビリ
にも役立ちます。
声が大きくなった! テレビの音が大きい! 大声でないとなかなか聞き取れない!
聞こえるけど、何を言っているのかわからない!と思いあたったり気になっていたら・・・。
『音楽を聞いたり、テレビを見たりして』音の世界を広げましょう!
骨導という機能を使い『低音から高音まで幅広い音を自然な音質』できくことをおすすめします。

三重苦(見えない・聞えない・話せない)のへレン・ケラーは、
「神があなたに1つだけ復活の望みをあたえてあげると問うた時、あなたはどれを選びますか?」
と質問され、ためらうことなく『聴覚を望みます、聞えるようにして欲しい』と答えた話は有名です。
『聴覚は…人間を最も人間らしくさせている機能』です。

1日、1万歩あるくと健康に良いように・・・
1日数時間でも補聴器を使い、歪みのない音・正しい発音を聞くことは
聴力のリハビリとなり聞え具合の改善が期待できるため、脳の活性化も助けます。
そのことは、生活や人生を意欲的に、かつ豊かにする手助けをします。


補聴器の歴史
<補聴器の種類>
 ・音を大きく拡大し、音を聞かせる音響増幅器で、【気導式補聴器】と【骨導式補聴器】があります。
 ・音を伝える経路と機能、対応が異なります。』

気導式補聴器 : 外耳→鼓膜→中耳→内耳→聴神経→脳
骨導式補聴器 : 内耳→聴神経→脳

<補聴器の歴史>
補聴器の原型となる電気回路によるものが 市場に出始めたのは1900年代の初頭でした。
それ以前の時代には動物の巻貝の一端を耳にあて音を拡大したりしていました。
やがて薄い金属、ガラスで作られるようになり「耳トランペット」と呼ばれ折たたみ式など携帯用の工夫もされていました。

こうした空気の振動による音の伝達(気導)に対し『頭蓋骨の物理的振動を利用して音を伝える伝達方法(骨導)』もベートーベンがピアノに歯をあてて音を捉まえようとしていたとの記録があるように古くから知られています。

1921年に真空管を利用して音声の増幅を行う補聴器が開発され、1947年にはベル電話研究所により発明されたトランジスターで補聴器の開発は一挙に加速されました。1960年にはIC回路が開発され耳穴にも入れる事のできる超小型の補聴器が登場しました。
しかし残念な事に電気回路が急激に発達、小型化した一方で メーカーは機械の小型化、高出力する事に夢中になり、音声を加工して、伝達するという視点が欠けており『音は聞えるが何を言っているのか理解できない』という問題にあたりました。

問題を解決するため その後様々な研究により、
『言語学的側面』『聴覚生理学的側面』『心理学的側面』『社会学的側面』『電子技術的側面』『フィティングの側面』等々多面的に分析し、総合していかなくては解決できない事があきらかになりました。

ザ・響き〉は問題を解決するために 小型化されず開発の止まっていた骨導式補聴器を10年の歳月をかけ開発したアメリカ生まれの補聴器です。

今から120年前アメリカのグラハム・ベルと言う人が、愛する妻のために補聴器を発明する研究をはじめました。
彼の意思はグラハム・ベル聴覚障害研究所に受け継がれ今日米国のあらゆる研究は世界の情報源となっています。
彼はその研究過程で電話機を発明し米国は補聴器の最先進国になりました。


老人性難聴
人生50年といわれていた時代には、老人性難聴になるまで生きられる人は極くまれであり社会問題とはなりえなかったでしょう。しかし今日では、高齢の男性の約3分の1、女性の4分の1が難聴で悩んでいると言われています。
難聴を訴えて受診される人の約半分が老人性難聴で、老人性難聴の方の約半分が耳鳴りを感じています。

軽度の難聴でもコミュニケーションが円滑にいかない事による心理的ストレスは大きなものがあり、年をとっても生活の質を若い時のように維持するためには、老化を何らかの方法で補う事が必要です。
現在の医学ではこのような老化した神経を若返らせる事はできませんので、補聴器を使い聴力のリハビリテーションを行うことが大切です。

老人性難聴は 単に音が弱く聞えるだけでなく、音が歪んで聞えかつ言葉の了解度が悪くなります。
同じ年齢であっても行動や頭の柔軟性が異なるように聞えも様々に異なります。主な原因は内耳の有毛細胞の衰え、脳へ伝える聴神経と脳の聴覚中枢が次第に衰えてきた事によるもので、鼓膜が厚くなったり耳管峡窄による伝音難聴や内耳神経が衰えたための内耳性難聴だけでもありません。

40歳を過ぎると、4000〜8000ヘルツの高い音がやや聞えにくくなりますが、日常生活にはたいした支障をきたしません。
ところが…60歳を過ぎると多くの人が難聴を自覚するようになります。
電話のベル、玄関のチャイムなどが聞きにくくなり、さらに進むと会話で使う言葉(500〜2000ヘルツ)の音が聞こえにくくなります。


老人性難聴の特徴
会話での聞き取りが悪くなる。
 ・次第に他人と会話をするのがイヤになり、家族ともあまり会話をしなくなる。

日常生活や社会活動に大きな支障が出てくる。
 ・家族団欒からも遠ざかり、次第に孤独になってゆく。

何度も聞き返したり、わからないのに生返事をしてわかったフリをしなければならい事態もおこり、精神的に落ち込んだり、 持ちが内向的になったりする事もある。
 ・会話をしなくなると、ますます言葉を聞き分ける能力が低下し、さらに会話も困難になる。
 ・次第に頑固になり猜疑心も強くなる傾向もあらわれます。抵抗しても駄目だとわかると全てあきらめ
  痴呆の原因の1つにもなる。