音楽療法

『聴覚障害者を助ける可能性のある全てのコミュニケーション手段の中で、音楽の技術と鑑賞力を育てることが、
難聴の結果出会う種々の問題に関して、最大の影響力を持ちえるのである』
【聴覚障害者のリハビリテーションより】

■音楽を楽しんで聞くことは,聴力だけでなく、心や身体を適切に調和させ生活
や人生を豊かにしていくための手助けにもなります。
■痴呆の予防・治療としても,多くの病院、福祉施設で取り入れられています。

■また音楽療法は、思わぬ内的世界を垣間見せてくれたり,集中力を養えたり、
熟睡を促す効果も実証され、減薬の期待もされています。
■また、NK細胞活性やアドレナリンが有意に高値を示したことなど、高齢者の
痴呆の予防や治療にも多くの期待がかかっています。
■音楽が心の癒しになり、疲れた心のリラクゼーションに効果的であることも
実証されています。


音楽療法の効果が期待できる医療場面

不安・緊張・ストレス      のある人に
  1. 病気に対する不安など
  2. 検査・手術に対する不安など
  3. 術後、社会復帰などへの不安
  4. 仕事、家庭、人生などへの不安
  ・入院患者さん全員が、不安、緊張、ストレス状態にあるといってもよいでしょう。
コミュニケーションの     とりにくい人に
  1. 心を開かない
  2. うつ状態,情緒不安定
  3. 攻撃的
  4. 自己中心
老人ケアに
  1. 心身のリズムの回復
  2. 運動感覚の刺激
  3. 脳の賦活化
  4. 人生のスパイスとして
  5. 協調性や自己表現
  6. 人生の質を向上
ターミナルケアに
  1. 痛みのマスキング
  2. 死に対する緊張や恐怖の緩和
  3. 脳病生活の潤滑油として
  4. 精神的な安定のために
  5. 人間としての尊厳のために
小児・障害児に
  1. 音楽という言葉を通して直接子供と意思の疎通を持つ
  2. 他の人と意味の伝わる反応ができるように
  3. 普通児が体験する楽しさ、快の気分を体験する
  4. 退屈な人生のスパイスとして
精神病患者さんに
  1. 賦活(活発化)
  2. 発散
  3. 自信の回復
  ・アメリカの音楽療法士の約半数は,精神障害者施設で活躍。次いで障害児施設が多い。
心身医学の領域
  • 病を心身の相関から治療する心身医学の領域では、『心』の在りかたに着目して、音楽を有効に活用している。
  • 日本の医療現場では、もっとも治病効果をあげている。

石黒捷 著 を参考にしました